出品作家紹介 守田 朋浩 氏(一刀彫)
奈良市生まれ、木津川市育ちである。仏像彫刻を学ぶため京都伝統工芸専門校(現・京都伝統工芸大学校)に進学。卒業して2年間仏像の世界へ。当時、なら工藝館館長であった神箸勝氏に出会い、師と仰ぎ、もともと好きだった一刀彫に転向した。奈良伝統工芸後継者育成研修生となり、さらに一刀彫を深めていった。
一刀彫は何故彫り数少なく造形するのか聞いてみた。守田氏曰く、神道の思想で、人の手が入ることにより手垢をつけない様、少ない手数で形づくることを良しとする神聖なものだからだそうだ。その起源は平安時代、春日若宮おん祭を飾った彩色人形で、その頃から伝統は変わらない、と話す。材料高騰など近年も厳しい状況が続くが、一刀彫が後世も続いていくため、この道で皆の生活が成り立つよう自分も盛り立てていきたい、と話す。