出品作家紹介 花井 慶子 氏(面皮細工)
実家が吉野の製材所で、小さい時から木に囲まれて育った。大学で服飾学科を卒業後、神社に奉職。その後、実家の製材所に。
製材所では面皮の担当になり、面皮を剥ぐ作業の大変さと、製品にならなくて破棄する材料の活用を考えるようになった。面皮は吉野杉の年輪に刃を入れて剥いで材を取る。集成材の化粧貼の一部として使われるが、寒暖の差の激しい吉野は良い面皮の産地である。
剥いだ面皮は強くて艶も美しく、木の温かみもある。身近な小物やアクセサリーで、たくさんの人に木の良さを分かってもらいたい。
子どもの時は木が回りにあるのが当たり前だと思っていたが、世間はそうでないと気付いた。吉野杉でしかとれない独特の素材を使う事で、自然の木、吉野材の素晴らしさを、広く色んな間口から伝えていけたらと思い、制作している。