第8回「奈良工芸の粋」展 令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

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令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

出品作家紹介 奈良県指定無形文化財保持者 河内 國平 氏(刀剣)

 河内國平氏の仕事は、ものづくりの原点を垣間見せてくれる。人間国宝の宮入昭平氏に相州伝を、同隅谷正峯氏に備州伝を習い、数々の賞を受賞後、無鑑査認定を受け、平成26年には刀剣界の最高峰とされる正宗賞を受賞した。輝かしい経歴をもちながらも、工房の國平氏はいたって清廉、質素である。

 「名刀に会うとうれしい。できそうな気がするからなあ。鈍刀に会うたらいややなあ。これもできてしまいそうに思う」。刀を作っていれば、出来、不出来は生じる。問題はできた刀のうちどれだけのものを厳選できるか。明らかに質の良いもの、悪いものは簡単に選別できる。その中間にあるものが難しい。

 「中間にあるものは、良いもの、悪いものに比べて数も多い。その中でどんだけ高い及第点をつけるかで職人の良しあしが決まる」。腕を極めた者だけが到達できるこの境地は、きわめてストイックな世界でもある。

 中世の刀にしかみられない「映り」を再現して、正宗賞に輝いた。だがそこで終わりではない。「映り」を実現してから、さらに視界が広がったという。その刀づくりに終着点はない。

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