出品作家紹介 細井 賢紀 氏(ガラス)
細井賢紀氏がガラス工芸作家を志したのは、東京ガラス工芸研究所を見学した時である。
「ガラスは硬くて涼しい印象を受けます。しかし、作る時はとても軟らかいです。しかも、一つ一つ表情が違います。その印象に好奇心に近い興味を持ちました。実際にやっていると、ぐにゃぐにゃなものを形にしていくという、とても楽しいものです。制作は一瞬の勝負で、あっという間に形が変わってしまいます。まるでスポーツ感覚です。これまで知っていたモノづくりとはイメージが全然違いました」と、細井氏は言う。 1992年に奈良にガラス工房を設立。作家として国際ガラス工芸展、日本伝統工芸展などで順調に受賞実績を積み重ねるとともに、1989年から全国各地で個展や兄弟展を開催している。ガラス工芸作家としての地位を確立しつつあるが、ガス代をはじめとしてコストがかかるのが悩みだ。
制作にあたっては、特定のテーマはない。「奈良工芸の粋」展に、花器やぐい飲みを出展する。