出品作家紹介 山本 弘之 氏(竹工)
サラリーマン時代、土日にゴロゴロしている山本氏を見かねた妻が、2002年に近鉄文化サロン竹工芸教室に申し込んだのがこの世界に入るきっかけである。7年後日本伝統工芸展新人賞受賞、以降同展等複数回入選。上野孝志氏を師匠と仰ぎ、上野氏が講師を勤めていた文化サロンを引き継ぎ、制作活動を続けている。
和歌山県龍神村の生まれで、生活用品を何でも手作りする器用な父を見て育った。当時の環境が竹工芸の原点である。
竹工は、立体の竹をわざわざ割いてヒゴにし、また立体に仕上げる。姿は変わっても竹という存在は変わらない。清々しく軽快で、竹が風に吹かれてそよぐ様が残る。透かしも、得意とする波網代編みもそうである。いつか自分が死んだ後、1点でいいのでこの世のどこかに作品がコレクションされていたら幸せと語る。