第8回「奈良工芸の粋」展 令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

MENU

令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

出品作家紹介 奈良県指定無形文化財保持者 月山 貞利 氏(刀剣)

 月山氏は、800年の歴史をもつ月山鍛冶の末裔(まつえい)である。月山鍛冶は、平安時代末期に現在の山形県にある月山の麓に興った刀鍛冶で、多くの名人を輩出した。近代になって大阪に拠点を移して、現在は桜井市で工房を営む。「長い歴史の中で繁栄した時も、途絶えそうになった時もありますが、ここまで続いた刀鍛冶の家は他にありません」と月山氏。戦後の武器製造禁止令の際には、刀鍛冶では生活していけないと、月山氏の2人の兄は別の職業を選んだ。月山氏が大学を卒業する頃に、父親の2代貞一氏が人間国宝に認定、技術の伝承の必要を強く感じ、刀鍛冶になることを決意した。

 月山鍛冶のつくる刀は、直刃という刃文と綾杉肌という地鉄の文様を特徴とし、月山伝と呼ばれる。直刃は、焼き入れによって刀身に生じる真っ直ぐな文様。綾杉肌は、地鉄に波打つような木目文様が現れる様をいう。

 「月山鍛冶は修験道場である月山に登って業を行い、身を清めてから刀を打ちます。刀は神仏に祈願して打つものであって、決して人をあやめるものではなく、幸福や平和を祈ってつくるものです。」と月山氏は語る。

もどる

PAGE
TOP