第8回「奈良工芸の粋」展 令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

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令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

出品作家紹介 山中 辰次 氏(陶芸)

 山中氏は、役所勤めからの転職という異色の経歴をもっている。故郷の天理市に約20年間奉職した。とはいえ、高校の頃からガラスに興味があって、役所に勤め始めた頃には「いつかは工芸で身を立てたい」とひそかに強い思いを抱いていた。

 転機は23歳のとき。天理市の陶芸教室の1期生となり、初めて土に触れる。「ガラスがやりたかったのですが、教室がなかったので、陶芸を選びました」

 10年近く陶器に携わっていたが、どうしても磁器をやりたくて転向。「陶器は先生に習いましたが、磁器は独学です。手引書を探しても当時はそんなものはなく、試行錯誤の毎日でした」。そんな中で日本伝統工芸展に入選。「これを機に磁器仲間が増えて、恥も外聞もなく、磁器づくりのノウハウを聞きまくりました」。当時を振り返りこのときの体験がとても貴重だったという。やがて役所も辞めて、作家活動に専念する。

 山中氏がつくる青磁や白磁は「昔の中国でいう玉、私にとっては宝石のようなもの。作品を通じて、日常の中でキラッと光る非日常性を感じてもらえれば」と話す。宝石のように明るい磁器、それが山中作品である。

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