第8回「奈良工芸の粋」展 令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

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令和6年3月14日(木)~18日(月)
@名勝依水園・寧楽美術館

出品作家紹介 中尾 心啓 氏(陶芸)

 将来の道は、料理人という選択肢もあった。働いていた料理屋で器を見て興味を持っていると、親が知り合いの陶芸の先生を紹介してくれて、それが京都府立陶工高等技術専門校に入るきっかけとなった。卒業後、備前と赤膚で修業した。京都からどうして備前、との問いに「日本で一番ろくろに触れる時間の長いところにいきたかったから」と答えた。備前は作ったままの姿がそのまま作品になるから、と恩師に紹介された。ろくろの腕を磨きたい一心だった。独立後、現在は平群町の古民家に月立窯を開く。

 いま最も力を入れているのが急須である。平べったい形状は日本茶が一番おいしく入るから。フタが大きいのは洗いやすいため。キイの部分も前後で厚さを変えて茶葉を流しやすくしている。全ての形には理由がある。中尾氏の急須は使った人から「安心する」とよく言われるそう。ちゃんと伝統に即した手をぬかない仕事と、古さを感じさせないデザイン。使い手は使いやすくないと選んでくれない。料理人時代に学んだ事だ。

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