出品作家紹介 豊住 和廣 氏(陶芸)
豊住和廣氏は若いころから器が好きで、大阪芸術大学を卒業後、ヨーロッパに渡った。国立パリ工芸美術大学での留学期間を含めて5年間フランスに滞在し、研究に励んだ。佐保窯を開いて独立したのは1977年である。
ここ十数年ほど「天平の華」シリーズの制作に携わってきた。このシリーズは、生まれ育った地である古都・奈良の地で、はるか奈良時代に花開いた古(いにしえ)をイメージし、天平の「時」への思いを土に込め、形と彩り、そして肌合いを、発掘されたような質感で表現したという。
今、新たに飛鳥時代をテーマに「あすかの宙」シリーズを発表。これから時代をさらにさかのぼり縄文、弥生時代をもテーマとしていきたいと展望している。
ちなみに、豊住氏はろくろを使わず、土を手ひねりで作品を制作している。数々の個展開催や作品展受賞の実績のうえに「新しい奈良」の創作活動が期待される。