出品作家紹介 大塩 恵旦 氏(陶芸)
赤膚焼窯元3代目・大塩昭山氏の次男として生まれ、平成6年、がんこ一徹長屋で独立した。
恵旦氏は薬師寺東塔基壇より発掘された粘土に他の土を混ぜず、100%そのままを使用し、釉(うわぐすり)を使わない「焼き締め」の技法にこだわった。
登り窯で松の灰を飛ばして高温焼成後、電気窯で高温焼成すると、粘土成分と松の灰との化学反応によって素地が金色に窯変した。さらに電気窯で長時間低温焼成することで、黒味を帯びた銀色の窯変が。
自身も予想だにしない出来事だったが、1300年前の粘土をそのまま使用したから生み出すことができた赤膚焼の新たな魅力であると自負している。