出品作家紹介 川北 成彦 氏(ガラス)
川北成彦氏は教師志望だったが、人を育てるより自分でじっくりと楽しむ仕事がしたいと、職人になることを決めた。
吹きガラスは、現代的なジャンルの工芸である。
「吹きガラスは、ちゃんと扱わないと、ちゃんと応えてくれません。吹いているその一瞬、ガラスに生命を吹き込むのです。すると、ガラスは作家の意図を受け取って、このような形になりたいというかのように形になっていくのです」。
1990年代から、奈良市展を主な舞台に、受賞実績を積み重ねてきた。
「ガラスそのものは、正倉院にも所蔵されており、その意味では奈良の歴史の流れの中に位置づけられると思います。またこれまで、個人としてガラスの制作に携わってこられた方はおられます。ただ、現代の私たちが制作している吹きガラスは、制作にせよ販売にせよ、ここ30年ほどの間にそのスタイルを確立しました。けれども、その歴史の中で形あるものとして残していくのが作家の仕事であり、これからも頑張っていきたいです」。