出品作家紹介 安田 麻里 氏(ガラス)
安田氏は京都市立芸術大学大学院の彫刻科卒業後、現代彫刻を続けるつもりで、食べていく仕事としてガラスを選んだという。しかしそのままガラスの世界の魅力を知り、立体造形をガラスで作るというようにシフトした。
代表作「ニケの欠落」は飛び立つ鳥をイメージしたゴブレット。パートドベール、吹きガラス、フュージングの三つの技法が使われており、ガラスの持つ透明な美しさだけでない、もろさや儚(はかな)さも表現したメッセージ性の高い作品である。
明日香のアトリエに吹きガラスの設備を導入し、キルンワークと吹きガラスを融合させた作品シリーズの制作にはげむ。中でも「サークルアップ」と名づけた独自の技法で作るカップ&ソーサーは近年力を入れている作品群。模様を入れた円板を吹きでピックアップして作る。手にしていただいた方に、長く愛でながら使ってほしいと願っている。